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VOL.002 「新しいマーケティング概念、「AIDMA」から「AISAS」へ」

●web2.0時代のマーケティング概念

前回「個」がweb2.0時代には、キーワードになるとお伝えしました。(VOL.001)
「個」がインプット、アウトプット両方で力を持つようになり、企業は、これまで以上に「個」というものを頭において企業活動を行わなければいけません。

そうなると、企業側はこれまで行ってきたマーケティング戦略における考え方を変更せざるをえません。

これまで特に大中堅企業は、マスメディアの活用を中心とした「お客様囲い込み戦略」が中心でした。

マーケティングの概念としては、アメリカのローランド・ホール氏が提言した「AIDMAの法則」と呼ばれるものがあります。

A:Attention (注意)
I:Interest(関心)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)

広告業界において特に有名な概念で、マーケティングを勉強する際、まず最初に学習するテーマでもあります。

認知段階⇒感情段階⇒行動段階とお客様の購買行動を段階に分けてマーケティング活動を行うことです。

この流れで一度つかんだお客様は離さないよういかに自社に「囲い込める」か、に企業は力を注いできました。

ところがインターネットの普及により、状況が変わってきています。

それが、「AISASの法則」と呼ばれるものです。

A:Attention (注意)
I:Interest(関心)
S:Search(検索)
A:Action(行動)
S:Share (共有)

ポイントは、「Search」の検索と「Share」の共有という概念です。

この2つは、比較的イメージしやすいと思います。

「Search」検索というのは、購買活動に移る前に他商品やサービスを比べているということです。

今までは、比較検討するにもカタログや資料を取り寄せたりしなければ、情報が不足していたのですが、インターネットはその手間を一気に省くことのできる媒体になっています。

カカクコムを筆頭に、比較サービスwebサイトは現在成長株の事業となっています。

「Share」共有というのは、「クチコミ情報」と言ってもいいかと思います。

Mixiやマイスペースに代表されるSNSやココログなどのブログサービス、ジャンルに特化したといえば、化粧品関係のクチコミサービス アットコスメなど代表的な事業です。

と、個々で見ていくと、「なるほど」で終わってしまいます。

しかし、ここには企業戦略を策定する上で、非常に重要なことが隠されているのです。

●要素を分解して目標設定を行う

それは、「AISASの法則」という流れそのものが成功パターンを表している概念ではないということです。

簡単に、
 「Attention」
   ↓
 「Interest」
   ↓
 「Search」
   ↓
 「Action」
   ↓
 「Share」
とお客様は流れないのです。

特に先ほどポイントとしてあげました、「Search」と「Share」これらがくせものです。

まずは、「Search」部分から見ていきます。

たとえ、商品やサービスに「注意」、「関心」を持ってもらっても、インターネット社会では「検索」で商品やサービスを比較されることが多く、必ずしも「注意」「関心」を持ってもらうことに成功した企業が選ばれているわけではないということです。

先のカカクコムはいい例です。

例えば家電製品自体は、家電量販店で確認し、実際購入するのはカカクコムで比較した後の価格優位性のあるお店で購入するという具合です。

家電量販店にしてみれば、たまったものではありませんが、それが現在の消費行動です。

最近では、時計などのブランド商品も同様のことが言えます。
実店舗で実際に腕に時計をはめてみて、質感や重量、機能などを確認し、十分にお客様がイメージ持った後で、インターネットで購入するという人が増えています。

自動車や住宅などの高額商品ほど、インターネットで「検索」をし、比較検討している頻度が高くなっていると、web広告研究会の調査結果では出ています。

今までは、「注意」、「関心」を持ってもらうことが、その後のお客様の行動ステップにつなげることができる「囲い込み」の第一歩でしたが、その「囲い込み戦略」が成立しなくなっているのです。

次に「Share」の「共有」ですが、お客様は自分が買った商品や利用したサービスに関して、インターネットを活用することによって、その使用感や満足感など感想を含めた情報を共有しはじめました。

インターネットは、匿名性が高い媒体であるという特徴もありますが、web2.0時代では、ブログやSNSなどである程度自分が誰なのか (どんな人物なのか単純に名前を公開するという意味ではなく)を公開するということが特徴でもあります。

以前は完全匿名性を利用して、悪意のあることや人間の中には誰にでも存在する、あらゆる欲の部分をそのままさらけ出し、社会性がなく単なる「個」として公開しているコンテンツも多かったのですが、ある程度自分を公開することによって「個」が「公」を意識した発言を行っているのが、web2.0ともいえると思います。

そしてその情報は、企業側から発信されたものではないので、お客様からすれば「販売」などの企業側の意図を感じることがなく、 純粋に自分と同じようなニーズがあった人の購入・利用事例として非常に参考になるのです。

逆に商品やサービスに対して、お客様が悪い印象を持ってしまうと、それもまたたくまに共有されてしまいます。
しかも悪い話の方が広がりやすいのは、噂話を考えても想像しやすいと思います。

さて、上記2つのキーワードに対して、企業はどのように対応していくべきでしょうか。

私は、AISASの概念では各ステージごとにコンセプトを設定して、そのステージごとに目的を設定することをおすすめしています。

当たり前ですが、お客様によって購買ステージはまるで違っています。
そもそも関心の薄い人から、かなり具体的に購買のイメージを持ってる人、すでに検討している人からその商品なりサービスを購入した人まで、ステージが違うのです。

AISASという概念ではそこを分解する、と言い換えてもよいかもしれません。
各ステージによってお客様の行動目標を想定して、その目標を目指して活動を行うべきだと思います。

「Search」を念頭に置いた場合、他と比べた時にどんな優位性がある商品やサービスなのかを全面的にうたうべきです。
ここはいわゆる「USP(Unique Selling Proposition)」と呼ばれるものを中心に考えます。
ひらたく言えば「独自の売り」を見つけて紹介するという意味です。

比較されるということは、ネガティブに考えてしまうと、他の会社にお客様を持っていかれるというイメージもありますが、そこで自社に来ていただいたお客様に関しては、成約率が格段に違ってきます。

私がお付き合いしている総合住宅メーカーさんは、以前と比べて格段に成約率があがり、あきらかに優良顧客が増えています。
これは、成約にいたる営業プロセスの効率化に確実に寄与しているのです。

「Share」を念頭に置いた場合、販売後のフォロー体制の確立が必要になります。
それが次の「Attention」注意にかえっていきます。
お客様同士で情報をどんどん共有していくのが特徴であるならば、一度お客様同士で紹介しあうような情報が確立できれば、あっという間に広がっていきます。

売ったら売りっ放しではなく、いかに長くお客様とお付き合いしていくかを念頭に置くと、フォロー体制のアイディアは浮かびやすいと思います。
後々、お客様からの声を生かした商品・サービス開発につなげることもでき、次の「Attention」へとサイクルをまわすことができます。

「AISAS」で上から下まで流れていくことが理想ですが、なかなかそのようにはいきません。
ですので、それぞれを分解して、目標を設定してみてください。
一つ一つの要素で、目標を達成することができれば、たとえ他に関心を持っていたお客様でも取り込むことができます。
先ほどの家電のお話のように。

そうすると、おのずとwebにおける戦略は、分解型になってきます。
一つのwebサイトですべてを実現するということより、どのステージのお客様に対してどのような状態になっていただきたいかを考え、構築し活用した方が最終的には業績につながり、ファンができる(ブランドが構築できる)企業になります。

そしてブランドが確立すれば、単純な価格競争などに巻き込まれることなく、景気にも左右されず安定した競争優位性のある企業として持続していくことになると考えます。

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