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バックナンバー web2.0時代の企業戦略実践ノウハウ

VOL.003 「ネット=販売、だけがweb戦略?」

●“売るため”だけが目的ではない企業のwebサイト

最近では、企業のwebサイトについての“考え方”が以前にくらべて随分洗練されてきました。 いったい何のために自社のwebサイトを作るのだろう、という基本的な考え方をするようになっています。

書店に行くと「これが“売れる”ホームページだ!」や「○○日で稼ぐホームページの作り方!」などかなり目を引くタイトルの本が並び、とにかく「売るため」という目的に合わせた教本や雑誌がところ狭しと並んでいます。

インターネットの黎明期では、企業に関してwebサイトがあればよい、会社案内が見れればよい程度の世界だったことを考えれば、格段に成長したと言えます。

ただ、企業のIT関連、もしくはweb関連責任者の方は、その目的に対して違和感を感じたことはないでしょうか。
特に中小企業の方々よりも、中堅・大企業の方々の方が、そのように感じている方が多いと思います。

確かに本や雑誌を見ると、売るためのwebサイト制作について、たくさんのノウハウが語られています。
初心者でもわかりやすいように絵で解説したり、やさしい言葉をなるべく使い、文字数も少ないものであったり、明日からwebサイトを公開できる、ツールやサービスの紹介であったりたくさんの書籍が発行されています。

しかし、それらは本当に皆さんの“会社のwebサイト”を運営していく上で、役に立ったしょうか。

確かにわかりやすい!でも、自社で活用できない!
そのような書籍や雑誌ばかりだと思います。

それは、当たり前です。
皆さんが会社でwebサイトを運用する目的と、“販売のためのwebサイト”という目的がずれているからです。

私の経験から言いますと、企業webサイトで売れるために特化したwebサイトというのは、ほとんどありません。
もし、売れるために特化したwebサイトという意味なら、「ショッピングwebサイト」と言った方が正しいと思います。

販売というのは、最終的にはクロージングを目的とします。
お客様がお金を支払って商品なりサービスを購入するということですね。
ネット上でクロージングというとやはり「ショッピングwebサイト」
なのです、

企業ホームページには、商品やサービスだけではなく、たくさんの要素が入っており、何を訴求していくかの要素が複合的に混在しています。

まずこの認識に立つ必要があります。
なので、企業web担当者が悩まれるのはごもっともなお話で、逆に目的がマッチしていないのに、先ほどあげた書籍や雑誌を勉強してもどうやっても実装することは出来ないのです。

ネットだけで完結してしまう事業会社とリアルな事業をやられている会社とひとくくりにはできないのですが、基本的に“企業webサイト”と“販売webサイト”とはまったくの別ものなのです。

私がお付き合いさせていただく企業の中に、まれに“ネット=販売”が頭に刷り込まれている社長や役員の方々もいらっしゃいます。

2000年ごろのネットバブルのころのトラウマでもあるかのように感じてしまいます。

当時の“世界”の経験で、すでにインターネットが打ち出の小槌ではないことは、十分に証明されています。

やはり通常の日常やっている事業の一部にインターネットの活用というツール的な役割がほとんどです。(大小はありますが。)

冷静に現状を把握し、自社ではどの部分がインターネットを使うことによって、有形無形の利益を得ることができるかを考える必要があります。

そうしなければ、すでにほぼ占有されてる商品やサービスに、新しいアイディア、付加価値と言っていいかもしれませんが、それらなしで真似をしただけの中途半端な参入になってしまいます。

結局、そこそこ中途半端なお金を使って失敗に終わり、「インターネットなんて駄目だ」などの極論に行きついてしまうのです。

例えば、オークションならYahoo、書店ならアマゾンが、ネットでの事業占有率が高いですが、そこに安易に参入して勝てるわけがないのです。

●考えるべき基本の3つのポイント

そこでどうするべきか。

考えるべき基本ポイントとして3つあげられます。

1.企業としてのwebサイトの位置づけ
2.企業の運用体制にあったwebサイトの構築
3.ランニング費も見越した全体予算の獲得

1.の「企業としてのwebサイトの位置づけ」は、その中でも最も重要と言っても過言ではありません。

例えば、皆さんは企業活動の中で、お客様に対していきなり商品やサービスを売りつけるようなことをしていますか?

おそらくそんなことはないと思います。

  • お客様を集めてくるためにDMを送ったり、各種媒体に出稿したり。
  • 話題性や強烈に訴求したい内容のものが出てきた場合は、キャンペーンを行ったりイベントを開いたり。
  • 信頼を獲得するためにツールを作りこんだり、コミュニケーションを継続的にはかるために会員制やポイントカードなど活用してみたり。
  • 購入したお客様に対してロイヤルユーザーになってもらうために定期発行物や新商品の案内など送ってみたり。

それらが実を結び、販売につながり、ロイヤルユーザーになっていただき、リピートしていただいているはずです。

これらの役割のどこをwebに任せますか?

位置づけとは、そういうことです。

位置づけができれば、そのwebサイトのコンセプトが見えてきます。
そのコンセプトにそって、具体的な企画を盛り込んでいけばいいのです。

2.の「企業の運用体制にあったwebサイトの構築」については、意外と見過ごされがちですが、非常に重要なことです。

企業によっては、ITもしくはweb関連の担当部署があったり、他の業務と兼務しながら自社のwebサイトを運用されているところもあります。

担当者によっても、ITリテラシー(知識と言っていいです)に差があります。
その自社のITに関するレベルを是非、見極めてください。

外部のweb系会社やシステム会社、コンサル会社などからたくさんのすばらしいご提案をいただいているかもしれません。
しかし、提案内容だけで絶対に判断しないでください。

どこまでが自社で行えて、どこまでをアウトソーシングすべきか必ず検討材料に入れて下さい。

そうしないと、仏作って魂入れずで、器を作ったはいいが、運用を行うことができなければ、まったく意味のない無駄な投資に終わってしまいます。
(ネットバブルでは、そのような事業ばっかりであったことを思い出してください。)

背伸びする必要はまったくありません。
まず今できることから、そして1年後には一つ階段を上る感覚でいいと思います。

3.の「ランニング費まで考慮した全体予算の獲得」ですが、中小企業に多いのですが、イニシャル費は計算しても、ランニングコストを年間で計算しない会社さんが結構あります。

2.で何を運営すべきかでコストが決まってきます。
その後、どの部分を自社で運営していくのか、どの部分をアウトソーシングするかでかかる費用が変わってきます。
まず、年間の費用をキッチリ出してみてください。

キッチリ出した後、webに関する費用試算のコツは、約10%~15%プラスの予算を上積みしておくことです。

以前のメルマガでも書きましたが、web2.0時代の現在、技術の進歩や恐ろしく早いです。

1年の間に色々なことが起こります。

予算をあまりギリギリで組んでしまうと、いざ使いたい技術やサービスが出てきたときに実行に移せないのです。

インターネットは他の媒体と違う最大の特徴でもあります。
一時期インターネットは、ドックイヤー(人間の1年は犬の7年にあたることの比喩)の世界と言われましたが、新しい技術やサービスが出てきて、いざ使いたいと思ったときに予算がなければ動けないのです。

以上、これらがポイントになります。

ちなみに私は“販売”目的が駄目といっているのでは毛頭ないです。
特に中堅、大企業で言うと、なかなかそのまま販売という目的が当てはまらないことが多いということです。
具体的にはクロージングは営業マンという会社が多いです。
じゃあwebではどこまでやらせるの?ということです。

“売る”というキーワードは、根本的には営利が目的となっている株式会社にとっては一番インパクトのあるキーワードですが、やり方を間違えると大きな失敗をしてしまいます。

あくまでも冷静に自社の戦略と照らし合わせ位置づけを明確にする必要があります。

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