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バックナンバー web2.0時代の企業戦略実践ノウハウ
VOL.028 「ねむログに見るwebプロモーション事例」
●プロモーションは、顧客視点で
企業は、webでのプロモーションについて数々の企画を展開し成功している企業もあれば、失敗している企業もあります。
テレビやラジオとwebをミックスしたクロスメディアマーケティングを積極的に行っている企業もたくさんあり、これから益々webにおけるプロモーション活動は活発になっていくことが予想されます。
そんな中で今回は、弊社で運用している「ねむログ」を活用した企業の事例を紹介します。
「ねむログ」というのは、弊社独自に企画し運用しているサービスサイトで、“睡眠時間を記録するサイト”として2006年12月から運用しています。
サービスを利用するには会員登録が必要ですが、メールアドレスのみの登録、そして無料で使用することができます。
現在会員数は、約11,600人。
その切り口が受けたのか、たくさんのメディアに取り上げられプロモーション活動をせずにここまで会員が集まったという事実はうまく行っていると考えてよいと思っています。
会員数もさることながら、一番の特徴はご利用会員の中でヘビーユーザの数が多いということ。
具体的な数字は公表できないのですが、登録されたユーザの中で、長く使われている方は、それなりに真剣に記録されています。
自分の健康管理の指標とするのはもちろんのこと、何かしら病気を抱えていらっしゃる方は、病院の先生へのレポート代わりに使っていたりだとか小さなお子さんの睡眠記録に使っていたりだとかかなり真剣に使われているユーザが多いのです。
単純にPVだけ増やして媒体価値を高めるというよりは、それを使っているユーザの質に媒体価値があると考え日々、ねむログとしての活動を行っています。
さて、昨年になりますが、ある企業がこの「ねむログ」を活用して商品のプロモーション活動を行いました。
(企業名や商品名はクライアントとの関係上匿名にさせていただきます。ご了承ください。)
その企業の商品をプロモーションする企画だったのですが、その商品とは飲料系の商品で、眠りに関係するものでした。
企業が抱えていた課題として、以下のようにあげられます。
| 1. | その飲料商品が、売れない。 |
| 2. | そのため以前はコンビニにも置いていたが、撤退した。 |
| 3. | 本当は、睡眠効果を特徴として売り込みたいが薬事法の関係で実際に眠れる商品としてPRするのは難しい。 |
| 4. | そうなるとPRそのものの手法がまったくわからない。 |
ということでした。
これらの悩みを解決するのに「ねむログ」を使ってみようということではじまったプロジェクトです。
この飲料商品は、商品単独のブランドwebサイトをすでに持っていたので、そこへリンクするバナーを単純に貼り付けても良かったのですがそうではなく、コンテンツをwebサイトで展開し、そこからバナーを張って誘導する内容にしました。
そのコンテンツとは、その飲料商品の効果効能をうたうのではなく中に入っている成分、具体的にはメラトニンについての説明を面白おかしく展開することにしたのです。
成分だけではなく、その製法や原産地についての情報。
また、生産者インタビューなど交えながら、商品としてではなくあくまでもその成分を理解してもらうコンテンツとして展開しました。
数ヶ月限定の更新コンテンツにし、形式はマンガ形式、そして少しでも見ている人達に楽しんでもらえるようフラッシュを利用し、動きのあるコンテンツとして展開しました。
そして、そこからブランドサイトに行くバナーというのは、飲料商品を展開する企業のバナーを張るのではなく、その成分を利用して展開している他社の商品やサービスのバナーも一緒に貼り付け、1社だけに誘導したものではない作りにしたのです。
結果、その飲料商品のブランドサイトに誘導されたユーザの多くがその商品の購入にいたり、またブランドサイトで会員を募っていたのですが、その会員数が非常に伸びました。
クライアント企業からは、「こんなプロモーションの仕方があったんだ」という、うれしいコメントをいただいています。
さて、このプロモーションについてポイントをまとめてみます。
| 1. | 商品そのもののPRではなく、成分についての教養から入った。 |
| 2. | ターゲットコアユーザの集まっている媒体を使用した。 |
| 3. | 企業色を極力無くした。あくまでもねむログのひとつのコンテンツとして公開した。 |
ということが上げられます。
1.については、商品訴求のコンテンツではなかったということが重要です。
商品訴求だと、この商品の○○が良いところなんですよ、○○はこれこれに効きますよとか、どうしても企業側からの発信コンテンツになってしまいます。
しかし、見ているユーザにとっては、その商品を知っているわけでもないので、商品名からひっかかってくることはまずありません。
ましてや、マスで広告しにくい商品であればなおさらです。
であれば、何かしら悩みを解決してくれる成分であったりその教養をまずは得たいというのが、人の行動だと思います。
ユーザの琴線に触れるその切り口をいかに見つけるかが、プロモーションの一つの鍵です。
2.も非常に重要な点です。
最初に言いましたが、「ねむログ」のユーザは非常にコアなユーザです。
単純にたくさんのユーザが集まっているだけの薄いユーザではなく何かしら眠りに関することに真剣に取り組んでいたり悩んでいたりするユーザが集まっています。
PVだけ考えると、他のポータルサイトの方がよほど人が集まり、活気づいているように見えるかもしれません。
しかし、商品の特性を考えると、単純な数ではなくターゲット「コア」ユーザがより集まって場所で展開するということは、非常に利にかなっていると思います。
3.については、なかなかやりたくてもできないことです。
あたり前ですが、企業はどうしても自社の商品を展開するとき自社の商品を全面的に立たせたくなります。
しかし、よほどうまくやらなければ、企業側の売りたい姿勢が前に出過ぎて、ユーザは引いてしまいます。
基本はいいことばかり言うでしょうから、ユーザからすると本当にそうなの?と疑問に思ってしまうのです。
そこで、企業色を極力なくし、ユーザに必要な情報をまず提供するという姿勢で展開することが、非常に重要になります。
企業は組織なので、これを実現することは難しいのですが、ユーザの立場に立つと、そのような展開の仕方になってきます。
今回の例ですと、最後にその成分について関係のある複数のバナーを張ったと説明しました。
そこでも立場としてフラットである姿勢を貫いたのです。
余談になりますが、他のバナーを張った企業から電話で問い合わせがありました。
急激に訪問者が増えたので、調べてみるとねむログからだったのでビックリして連絡してきたのです。
この3つのポイントは、企業側からするとなかなか実現しにくいポイントだと思います。
そもそも自分達をどんどんPRしたいのだから、その自分達を抑えるというのは非常に難しいことです。
しかし、ユーザの立場にたつと、まったく発想は変わってくると思います。
お客様から見た発想を、どれだけ具現化できるか。
webの場合は、インタラクティブに展開できる媒体なだけに今後のプロモーション展開の成功には欠かせない視点だと思います。
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