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ラジオ離れはホント? 聴覚メディアのファン作りと広告の関係性

先にテレビの視聴が減っていることをお伝えしましたが、ラジオを聴いている人は増えているのか、減っているのか? そして、ポッドキャストの需要はあるのか。
実際に、ビー・オー・スタジオの全スタッフを対象に質問をしたところ、1週間に1度以上ラジオを聴く人は1割にも満たず、ポッドキャストにいたっては、毎日ポッドキャストを聴いている1人を除き、ダウンロードする人はいませんでした。

日本では今年の6月末にTBSラジオが「ポッドキャスト」を終了し、独自のチャネルでストリーミング配信をしていくと発表。リスナーの間で大いに話題になりました。ポッドキャストを含め、オーディオメディアの影響力は依然として大きいものであることが周知されたのです。

視聴率に比べ、聴取率はあまり話題にされない日本と違い、アメリカではラジオやポッドキャストの ‘Listening rate’(リスニングレート) は簡単に見つかり、州ごとのラジオ局の広告費も開示されています。さらにここ数十年、全米のラジオの広告費は目立った落ち込みもなく、高い水準をキープしています。具体的な報告を交え、その背景をお伝えします。

米国ミレニアルズのラジオ離れは本当か?

ちょうど2008年のリーマンショックの頃に社会人を迎えたミレニアルズは、10代からスマホを持ち、インターネットに慣れ親しんだ最初の世代です。消費に対して他の世代と指向が違うことで、マーケッターは彼らを囲い込むためのPRに時間と労力を費やしています。
ミレニアルズはラジオを聴かない、音楽はストリーミングサービスを利用し、しかもダウンロードではなくオンデマンド型を選んでいると、2016年の米フォーブス誌で寄稿文を公開していました。一方、ニュースジェネレーションの記事では、ミレニアルズの92%が毎週決まったラジオ番組を聴いているという統計結果を載せています。

ラジオ広告のプログラマティックAD(運用型広告)移行

人力オペレーションではなく、プログラムによって運用される「プログラマティックAD」が日本でもようやく認知され、浸透しつつあります。米国ではすでにプログラマティックADの有用性に高い注目が集まり、採用するケースが増えています。すなわちメディアと出稿するクライアントが1つのプラットフォームでつながることで公正に取引され、かつ高い費用対効果の得られる運用型広告として、インターネットマーケティングの主流になりつつあるのです。

そのプログラマティックADが、ラジオ広告の分野でも存在感を示す調査資料を、今月アメリカのメディアソリューションカンパニー「ワイドオービット(WideOrbit)」が公開しています。そこで上がった数字は、すでにプログラマティックADの出稿は3割、配信するラジオステーションは46%あるという結果でした。リスナーへの新しいアプローチにプログラマティックADが有効と見られ、高く評価されているのです。その理由には、ラジオの聴取率が安定した人気を誇り、地方のラジオ局でもローカルな話題や番組を積極的に企画し、着実にファンを増やしていることにあります。公共放送局に対しては、地元リスナーからカンパがあったり、また欄塩番組の中には独自のシンジケートを組み、ジャーナリズムを生み出すプログラムも存在したり、さらにその活動をファンが支援するという例も見られます。リスナーの指向を把握しやすく、広告がターゲットにまっすぐ届くラジオ広告は、出稿する側にとっても透明性の高い広告料と製作費を抑えられるというメリットがあるのです。

ポッドキャストのリスナーは10年前の2倍に増加

米ニュージャージー州にあるエジソンリサーチは、LAのトリトンデジタルと共同でポッドキャストユーザーの調査を行い、今年の4月に資料を公開しています。調査結果では、ポッドキャストのリスナーは年々微増。2017年度は昨年と比べ3%増えています。驚くことに、聴取者の44%をミレニアルズが占め、彼らはスマホのポッドキャストアプリでAM/FMラジオを聴いているという結果が得られました。

どれくらいオーディオリスニングに時間を割いているかという調査では、1時間~3時間が最も多い36%、その次は3時間~5時間の22%です。10時間以上というリスナーも15%存在します。そしてポッドキャストに登録をしている数の調査では、番組数2つが24%。4~5登録している人が20%、次いで3番組は19%でした。
ちなみにビー・オー・スタジオにいる自称ポッドキャストのヘビーリスナーの登録番組数は5つ。FMやAMもたまに聴いているが、ポッドキャストではなくラジコのアプリを使用しているとのこと。

以上の報告は、ポッドキャストのリスナーを対象にした数字です。実際4月の調査時には、エジソンリサーチとトリトンデジタルは、全米在住の無作為に選んだ12歳以上、2,000人に電話(固定電話51%、携帯電話49%)で聞き取りを行っています。
以下はオーディオデバイスで「聴覚」を占有するオーディオソースを、サンプル全体とミレニアルズとで比較した図になります。

左図は13歳~34歳、右図は調査対象全体です。米衛星ラジオ最大手シリウスXMはミレニアルズで1%に減少していますが、ポッドキャストを聴く割合は増えています。

Google Playでもポッドキャストが聴ける?

日本でもGoogle Play Musicでポッドキャストを探し、再生できるようになったと、一部のブログやニュースサイトでは報じていますが、公式サイトでは「米国とカナダのみ」と注意書きがしてあります。とはいえ、番組によってはアンドロイド用アプリをPlayストアからダウンロードして聴くことができます。

若者のラジオ離れ、と言われていますが、根拠はどこにあるのか見定める必要があります。日本の場合、ラジオから遠のいているのは若者ではなく、深刻なスポンサー離れをリスナー減少に転嫁しているのでは? 別の角度から俯瞰すれば、人気声優がパーソナリティを務める番組や、芸人の深夜ラジオは熱心なリスナーに支えられ盛り上がっています。
今後リスナーをターゲットにしたマーケティングについて、米国の事例とともに紹介していく予定です。

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