大陸横断の追っかけツアーも開催。皆既日食で沸き立つ米国民とエコノミー

2017年8月25日 1:13 PM

日本でもニュースになっていたアメリカの日食 “total solar eclipse”。米大陸を横断するルートで見られる皆既日食は99年ぶりということで、少なくとも2億人が米時間8月21日の皆既日食を楽しんだと、米ニュースサイトは報じています。時期的に新学期のはじまる前のホリデーシーズンに起こることもあり、日食をワイドアングルで撮影、そしていいポジションで観測できる州では、さまざまなキャンペーンやイベントを企画するなど、アメリカ全土で数カ月前からお祭り騒ぎ的な盛り上がりを見せていました。

photo by Peter Hershey

この2017年全米横断皆既日食は「グレート・アメリカン・エクリプス」と呼ばれ、西海岸オレゴン州の上空からスタートし、サウスカロライナ州まで14州の地域で観測ができました。オレゴン州は数年前から日食で観光客を呼び込むために日食フェスのウェブサイトと各SNSアカウントを開設し、集客に取り組んでいました。日食フェスサイトのトラフィックは6月中旬から急上昇し、7月の時点で訪問者数は1日20万人を超えるほど、注目を集めました。
ふだんは静かなオレゴンの町に、フェスの会期中は日食を見るために10万人以上が押し寄せました。ただ当初予定していた100万人には届かなかったため、心配していた交通渋滞やパニックは免れたと言います。オレゴンからずっと東に進んだワイオミング州では、日食の前後で人口が2倍に増え、次の日まで大渋滞が続いたと報道されました。

日食に乗っかったビジネスとブランディング

日食をイベントのひとつにカウントし、さまざまな観光ツアーも企画されました。日本のいくつかの旅行会社でも、成田発の航空券とセットになったパッケージツアーが組まれ、滞りなく実施されたとのこと。アメリカではマクドナルドをはじめ、フードチェーン各社が観測用のソーラーグラス付きのセットを販売したり、限定のスペシャリティを設定したりと、日食にあやかったビジネスを展開。
北米のMMC (三菱自動車) は、2017年3月に世界同時リリースをしたSUVエクリプス・クロスの知名度アップとPRのために、日食と一緒の撮影を試み、成功した写真をすぐさまSNSに投稿して注目を集めています。


Mitsubishi Motors Eclipse Cross

20分が握る機会創出と損失

経済効果の期待されていた一方、経営者の間では、日食見たさに労働者が仕事を中断し、生産性の落ちることが懸念されていました。人事コンサルティングファームのChallenger, Gray & Christmas が見積もるところでは、日食を見るために従業員が20分前後席を外すことで生産性は減少し、損失額は$694million(約7億5,000万円)にのぼると、ロイター通信は日食前に報じました。

米大統領はグラスなしで直視!? それほど魅惑的

この画像は、日本の国立天文台とJAXA (宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)、アメリカのNASA、イギリスのPPARCと共同で開発した太陽観測衛星「ヒノデ」が、X線望遠鏡で撮影したイメージです。人智を超越した自然の摂理、宇宙の真理を切り取った映像に、感動を覚えずにいられないのでは。古来から人々の関心を集め、畏怖の対象でもあった日食。その神秘的な光景に魅了されたのか、大統領も思わず!? 裸眼でフォーカスしてしまったことはご覧のとおりです。
次回の皆既日食は2019年、チリやアルゼンチンで観測できると予想されています。
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