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NYC発、結婚式のドラマを「シェア」するビジネス。
次フェーズはターゲット・マーケティングによる分析

「結婚」という一大イベントを、動画として記録してくれるサービスはたくさんあっても、それを「番組」として扱ってくれるメディアは、まだ多くはない。今や全米だけでなく世界を巻き込み、ウェブ上で放映されているリアルな「結婚」チャネルを紹介します。

「日本の結婚式」事情、ベストシーズンはやっぱり6月?

迷信かトリビアか、6月の花嫁は幸せになれる、は世界共通の認識。米ウェディングメディア「Inspired Bride」には、6月に結婚したケースが調査対象の10.8%を占めて1番多く、次は8月の10.2%、7月の7.9%が続き、サマーウェディングの人気が高いことが掲載されています。

一方、日本の総務省の家計消費状況調査によると、これから迎える5月と11月、そして3月が「挙式、披露宴費用」の多い月であることが公表されていました。女性誌のウェディング特集号も、5月と11月に集中して発行され、いかに日本ではこれらの月に出費が多いか想像できます。
ちなみに日本銀行・金融広報中央委員会の「金融教育プログラム」に掲載されている2015年首都圏の結婚費用「挙式・披露宴関係」は、370.7万円。これに指輪や結納、新婚旅行の費用が加われば、出費は雪だるま式に増えていきます。

ベストシーズンを前に、大きな金額の動くブライダル市場は、結婚というイベントをめぐり、同じ時期にさまざまな業種がキャンペーンを投入。この中に宣材を含めた動画制作も含まれ、商機も潜んでいたのです。

「知らない誰かの結婚式」はおもしろいという気づき

結婚式の動画といっても日本の場合、オープニングムービー、プロフィール、エンディングなど披露宴の「演出」としての役割が強く、海外のカップルに比べ、2人の思い出作りのための撮影を「プロ」に依頼するケースはあまり多くないようです。

そんなブライダルムービーの動向を、日本からアメリカ・ニューヨークに目を移してみると、新しいウェブサービスの存在が際立っています。それがリアルなウェディングを視聴できる「ラブストーリーズTV」。出演者はアマチュアばかりですが、制作するスタッフはプロフェッショナル。そもそもは2年前、NYマンハッタンを拠点にマーケティングのスペシャリストとして活動していたレイチェル・ジョ・シルバが「ラブストーリーズTV」をローンチしました。このプラットフォームにはハリウッド映画さながらの凝った演出や、ギミックを駆使した作品集まっています。24時間、365日、さまざまな国から結婚式の動画がアップロードされ、視聴者は見放題で気軽にシェアが可能。同じ「結婚」というテーマを扱っていても、作品のテイストはギュギュっと凝縮したプロモーションビデオ風から、プロフィール付きのドラマ仕立てのストーリーまでと、視聴者を飽きさせないラインナップを誇ります。

それが証拠に、「broadwayworld」メディアでは、開始から2年も経たずに視聴時間”ten million minutes(1,000万分、6944日と10時間40分)”を記録したとの、記載があります。

事実は小説よりも…のことわざ通り、リアルな人間模様はおもしろい!

他人の結婚式を見て、おもしろいのか? それはリアリティショー人気にも通じる志向性。視聴者目線で共感、感情移入のしやすいことで、一定のファン層を獲得できる。日本でも「あいのり」や「テラスハウス」に親近感を抱いた人が、ブームを牽引したことは記憶に新しいのでは。

NetflixHuluでも視聴できる全米のリアリティショーは、今も高い人気をキープしています。「共感」と「親近感」をキーに、リアリティショーから知名度を得た出演者が、セレブに転身するケースも少なくありません。

そんなお国柄もあって、レイチェルが起こしたプラットフォームは、わずか2年足らずで大きく成長。今年の1月には、シードファンディングで増資を募り、名だたる投資家から数億円もの資金を集め、ターゲット・マーケティングで新たなアプローチをはじめています。

ラブストーリーズTVの中で、レイチェル自身
「今まで見たどのドラマよりも、リアルな人物や物語はおもしろい。しかも動画を制作するのはプロ。こんなクオリティの高い番組をロングランさせないなんてもったいない!」と語っています。

実際にどんな人が動画をアップロードをしているかといえば、結婚式を自慢したい個人、映像制作会社、そして式場およびケータリング会社やドレスサービスの会社。現時点では、個人・法人がフリーアカウントを登録後、アップロード可能。そして通信環境にもよりますが、YouTubeやその他動画サイトの視聴が可能な環境ならばストレスなく視聴できます。
プロの撮影、編集、コーデックによる高品質動画を鮮明に再生するため、しばしば「ラブストーリーズTV」チャネルはアップデートが繰り返されています。が、その更新の度に使いやすく改良されてある点が、ユーザーから高く評価されています。

視聴者は誰?ミレニアルやプリウェディング(結婚前)に向けてのマーケティングに注力

先に紹介した「broadwayworld」によると、サイトへの流入の90%はiPhoneを含むスマートフォンから。「ラブストーリーズTV」はプラットフォームの強化と同時に、新しいCTO(最高技術責任者)とブランドマネージャーを迎え、SNSを通じたマーケティングの強化を進めるとのこと。2018年4月現在、パートナー企業にメンズウェアの人気ブランドが参画。また4月23日にはベストムービーを決めるウェディング・フィルム・アワードを、カメラ系海外通販サイトのB&Hフォトビデオを協賛に迎えて開催します。

自分の結婚式がメジャーなエンターテイメントになって、世界中の視聴者からシェアされたりコメントバックがあったりするなんて、すごく刺激的。ブライダル市場関係者出身ではない、レイチェルの結婚式ビデオに対する「素」の感動が、ビジネスや起業のスタートアップにつながった例。資金調達のフェーズ、米フォーブス誌他、投資家向けのメディアでの掲載タイミングなど、緻密で計画的な進行に興味のある人は、レイチェルの足跡を深掘り、あるいはSNSでフォローしてみては。

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