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ソーシャルメディアとメンタルヘルスの関係。精神衛生上SNSはよろしくないのか?

ソーシャルメディアを肯定する人、否定する人、中には諸悪の根源だと言い切る人もいるでしょう。SNSで他人のリア充を見ていると、自分を肯定できない否定感だったり、自尊心の低さだったりが、ことさら強調されるようで、メンタルが弱くなってしまうことが理由。
ただ現実には善とも悪とも断定できない曖昧さがあります。

モノゴトにはさまざまな側面があります。ソーシャルメディアは多くの問題を抱え、不測の事態を引き起こす可能性を否定できません。一方で、高く評価されるべき点もあることを、海外のエビデンスを交えてお伝えします。

  • ピュー研究所 (Pew Research Center) の調べでは、10代の81%は、ソーシャルメディアが生活にプラスに影響、とくに友人とのつながりにおいて、ポジティブであると回答。
  • Royal Society for Public Healthのレポートには、ソーシャルメディアの使用に関するいくつかの肯定的な側面が記載されています。調査によると、多くの人はソーシャルメディアを自己表現のスペースと見なし、そこで個々のモラルが正しいか否かのサポートを見つけ、コミュニティを形成し、継続的な人間関係構築を目指します。
  • ハーバード大学の調査では、ソーシャルメディア自体がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすものではないことを明らかにしています。習慣中毒性のないソーシャルメディアの使用であれば、健康を害するよりむしろ、人と人との距離と時間の障壁を克服し、顔を突き合わせて互いの表情が確認できない場合の情報を補うのに役立つ可能性もあると。

対人関係構築について利点があるという見方に対し、ソーシャルメディアのネガティブな部分とは?とくに10代コミュニティや仲間作りに、どんな影響を与えるのか。

  • SNSが及ぼす負の影響とは?
  • SNS利用者の中の脆弱なグループは?
  • SNSプラットフォームは、コミュニティを守るためにどのような行動をとるか?
  • ソーシャルメディア上の責任は誰に課せられるのか?

上記の項目を掘り下げ、順番に解説していきます。

負の影響こそ、ソーシャルメディア最大の脅威

SNS上のコミュニケーションが楽観視できない統計を紹介します。自己の確立が未発達な10代ではソーシャルメディアから受ける影響は大きく、かつコミュニティの中での自分がどう見られているかに極めて敏感で、過剰なほど意識をしています。

  • ミシガン大学の調査では、Facebookを頻繁に使用する人ほど、自分の境遇を不幸と感じるようになった。調査対象のグループは、わずか2週間の間に生活全般に対する満足度が大幅に低下しました。別の研究では、ソーシャルメディアの広範な使用が、精神面で不安障害を引き起こす可能性があることを示唆しています。
  • アメリカ心理学会の研究では、ソーシャルメディアで自分と他人を比較すると、抑うつ症状が増加する可能性があることを明らかにしています。過剰に考え、思考を巡らせる傾向のある人の方に、より強く作用します。
  • 5時間を、ひとつのベンチマークと捉えてみる。ソーシャルメディアに毎日多くの時間を費やす10代の若者は、うつ症状に罹患する可能性が2倍になるという報告から、5時間という指標を算出。長時間SNSを利用して気分がふさぎ込む傾向は性別とも関連しているようで、10代女子の60%以上がうつの予備軍と見られています。
  • ソーシャルメディアの嫌がらせに関する統計では、ハラスメントの恐怖に怯える女子の姿が浮き彫りにされています。調査対象の女性の内57%がFacebook嫌がらせを経験したと主張。そのうち10人に1人はInstagramでなんらかのいじめを受けています。ボランティア団体「WHOA (Working to Halt Online Abuse: オンライン乱用阻止運動)」は、すべてのオンライン虐待被害者の70%を女性が占めていると報告しています。

SNSプラットフォームは今後、ハラスメントの問題にどう向き合っていくのか?

もちろん、SNSの巨人が、こういった現状に手をこまねいているわけではありません。コミュニティ内のメンタルヘルス問題に対応する、プラットフォーム側の取り組みの一部を紹介します。

助けが必要ですか?(Can we help?)

まずはInstagramから。Instagramは積極的に、ハラスメント防止に取り組んでいます。すでにプラットフォーム側で、2016年に自殺防止ツールを実装しています(2015年のFacebookのソリューションをモデルにしています)。

どういった実用性があるのか。まず悲しみ、抑うつ、自傷行為、および関連トピックに関連するハッシュタグへの関心の高まりを検出します。具体的にはユーザーが、ネガティブなハッシュタグや、自殺をほのめかすワードを入力するとヘルプ画面が立ち上がり、ユーザーが直面する問題を解決するための提案を表示します。サポート画面で何のアクションも起こさずに戻っても、プラットフォーム側ではユーザーのアクティビティを参照し、助けが必要かどうかの通知をユーザーに送ることがあります。Instagramは実際に嫌がらせを受けたユーザーにはヘルプラインに連絡したり、メンタルヘルスのヒントを読んだり、信頼できる友達と話したりすることをすすめています。

友達といえば、Instagramはユーザーベースの知り合いを、匿名でヘルプするツールを提供しています。いじめと思われる投稿を見つけたら、Instagramに報告できます。コンテンツを投稿した人は、誰がコンテンツにフラグを立てたかはわかりませんが、Instagramから通知が届きます。投稿した本人はハラスメントとは思っていないコンテンツでも、もしかしたら誰かを悩ませたり傷つけたりしているのではないかと、投稿主に知らせる機能です。

SNSプラットフォームは、ユーザー一人ひとりがサポートコミュニティを構成する一員であると認識させるために多くの取り組みをしています。そのひとつが全国自殺防止ホットライン (National Suicide Prevention Hotline) などの、さまざまなメンタルヘルス当局によるサポートです。また国ごとにユーザーをローカルの当局や医療センターと結びつける、専用ソリューションも用意しています。

プロフィールに数字は関係ない

Instagramは2019年に、世界のインスタユーザーを驚愕させる試みをスタートしました。まだ記憶に新しい「いいね」数の非表示です。

InstagramのCEOであるアダム・モッセーリ (Adam Mosseri) は、利用者の感情の安定およびメンタルヘルスを改善するために「いいね数の非表示」を実施したと主張しています。

「いいね」の非表示は、いじめや虐待には効果を発揮しても、マーケティング業界では物議を醸しています。というのもインフルエンサーを利用したキャンペーンなどでは、マーケティング担当者が「いいね」を成果指標に用いることが常でした。効果測定レポートは、インフルエンサーが提出する報告書頼みだったため、「いいね」の数が非表示では、これまでのように即座にキャンペーンの有効性を示すことが難しくなるのでは、と心配しています。

この懸念に対するモッセーリの対応は非常に堅固でした。

利用者の幸せと健康との引き換えであれば、経営に痛手を被る覚悟はできている。
We will make decisions that hurt the business if they help people’s well-being and health.

ソーシャルメディアとSNSマーケティングに一石を投じる変革です。
日本では「いいね非表示とヘルプオンライン」はすでに実装済みのようですが、2020年4月においてグローバルでは未展開の国もあり、進行途中です。Instagramがこのまま「コンテンツの監視」ソリューションを徹底することになれば、セルフセンサーシップ (自己検閲) ではなく、プラットフォームの検閲機能が発揮されていく可能性があります。とはいえ、変化の激しいソーシャルメディアです。今後どのように発展し、マーケットが変化していくか、楽しみでもあります。

ヘイトスピーチは歓迎されない

閲覧者やフォロワーから攻撃的なコメントが入ったら、どう対処したらよいのでしょう。FacebookとInstagramでは、ページのコメントから特定の単語をブロックできます。シンプルな操作で、オンラインスペースの安全性確保とページのモデレートができる効果的な方法です。

攻撃的なコメントについて、Twitterはどんな取り組みをしているのか。これまでヘイトやトロール (荒らし) が、ほぼ放置状態であったTwitterにも変化が起きています。現状を維持、もしくは改善するためにTwitterは不適切なコンテンツを自動的に検出する「Advanced Qualityフィルター」を採用しました。同時にひどく悪質な嫌がらせや暴力的な脅威に対し、迅速に対処するための「暴言や脅迫、差別的言動に対するTwitterのポリシー」を導入しています。

ソーシャルメディアマネージャーの責任

各SNSプラットフォーム側がポリシーを変更するなどアップデートしている今、企業のSNSアカウントを管理するソーシャルメディアマネージャーも、これまでの運用を見直すべきではないでしょうか。フォロワーや閲覧者からのすべてのコメントを24時間365日監視ができないとはいえ、見落としたコメントがブランドやサービスに大きなダメージを与える可能性がないとは言い切れません。
でも安心してください。SNSの画面に張り付かなくても、運用管理を支援するツールがあります。

NapoleonCatの受信トレイ

InstagramやFacebookに限らず、YouTubeやTwitterを含め、複数のアカウントを管理している場合、すべてのコメントへの対応には、それこそ時間と手間がかかります。これを効率的にさばくには、マルチプラットフォーム対応のNapoleonCatのソーシャル[受信トレイ]を使ってみることです。NapoleonCatは、Instagram、Facebook、Twitter、LinkedIn、YouTube、そしてGoogleマイビジネスの管理プロフィールから、ファンのアクティビティにアクセスできます。NapoleonCatの[受信トレイ]で受けたすべてのコメントあるいはメッセージには、PCのデスクトップまたはモバイルアプリから直接アクセス可能です。受け取った内容をチームメンバーで共有し、素早く適切に処理できます。

[受信トレイ]は、コメントへの返信を見逃さないための仕組みであり、複数人で利用する場合にはプロセスを合理化するために担当者を割り当てて、フローに沿った処理ができます。しかもコンテンツのセンチメントを分類し、投稿別の反応を比較することも可能です。

自動モデレーションルール

SNSのプロフィールページにアラートが表示されても、これまでだったら即座に対応するのは困難でした。手作業でスマートフォンを操作して返信、という作業を就業時間外の深夜や早朝に行うのは現実的ではありません。それを24時間可能にしたのがNapoleonCatの[自動モデレーション]機能です。次のことができます。

■一般的な質問に対する自動返信の設定
■不適切なコンテンツを自動的に非表示または削除

FacebookまたはInstagramのコメントセクションに不適切な表現やコメントが表示される場合には、[受信トレイのアクション]を設定して、以降そういったコメントが入った場合には適切に処理できます。事前に定義したルールには、コメントの非表示や削除、または問い合わせへの返答があります。
自動モデレーションルールを設定する詳しい方法はこちらのページで紹介しています。

まとめ

ソーシャルメディアが普及するにつれ、多くの問題が浮かび上がっています。とりわけ未来を創出する10代のユーザーはSNSの情報に影響されやすく、脆弱であり、Instagramをはじめプラットフォームの背後にいるチームはソーシャルネットワークをより安全な場所にすることを目指しています。

ソーシャルメディア、SNS自体は悪ではないにしても、まるで善とも言い切れません。インターネットへの情報発信すべてに言えることですが、ソーシャルメディアは利用するユーザーの心がけ次第でよりよいコミュニティ作りに貢献できるものです。

NapoleonCatがソーシャルコミュニティの保護と、オンライン上のハラスメント防止に役立つことを願っています。

SNS解析ツールNapoleonCat

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