最新ウェブマーケティング

  1. HOME
  2. 最新ウェブマーケティング
  3. 日本はデジタル先進国? SNSもモバイルも各国と比べると微妙な立ち位置

日本はデジタル先進国? SNSもモバイルも各国と比べると微妙な立ち位置

市場レイヤー分類

先ごろ、総務省から平成30年版「情報通信白書」が公表されました。現状の日本がどれくらいICT(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)を利用しているのか。市場レイヤー分類(コンテンツアプリケーション、プラットフォーム、ネットワーク、デバイス)に基づく近年の市場動向や、日米ICT投資の比較と推移。加えて国内の経済活性化事例、さらに他国の事例を掲載し、ICTで可能性を広げる経済や業界、IoT、AI、サイバーセキュリティ対策、コンテンツサービスの未来までを、資料とともに伝えています。1部と2部、索引と資料を合わせると、400ページを超えるボリュームのある大変興味深い報告書であり、世代別にどんな傾向があるかの解説を含め、マーケターにとって必読書と言えるでしょう。

「日本礼賛」はデジタルには通用しない!? ICT浸透度の各国比較

米ワシントン州に本部を据えるピュー研究所(Pew research Center)が、グローバルを対象に【デジタル格差】を調査し、その結果を2018年6月に公開しました。新興国、開発途上国、先進国を合わせた39カ国※の【成人】を対象に、インターネットの利用とスマートフォンの所有率、そしてSNSの使用状況をまとめたレポートから、今回は「日本」のポジションを抜粋して紹介していきます。※報告書の1部では36カ国を対象に調査

人それぞれ受け取り方は違うとは思いますが、調査資料を一読し、各国と比べた日本のデジタル浸透度に愕然とするか。逆に「開拓の余地あり」と明るい未来を描ける人もいるかもしれません。

internet-penetration-rates-are-high-in-north-america-europe-and-parts-of-the-asia-pacific

上の図は成人1人に対し、PCあるいはスマートフォンの所持が行き渡っている場合を100%とした場合の、インターネットの普及率を表しています。インターネットが最も浸透している国は韓国の96%。日本は76%と遅れをとり、8割~9割のグループであるオーストラリア、オランダ、スウェーデン、カナダ、米国、イスラエル、英国、ドイツ、フランス、スペインに引き離されています。

前回の調査と同じく、富める国はインターネット利用率が高い

internet-use-more-common-in-wealthier-countries

次に1人あたりの購買力平価GDP(1人当たりの国際Purchasing-Power-Parityドル)を横軸に、インターネット利用率を縦軸に相関性を示したグラフをお見せします。インターネット利用とスマートフォンの所有、どちらも富裕国の数値が高いという結果は、前回から一貫しています。
インドやタンザニアの25%という数値は、単純計算で4人に1人にしかインターネットデバイスが行き渡っていないことになります。

調査対象39カ国すべてでスマートフォン利用率は上昇

 Smartphones are common in Europe and North America, while sub-Saharan Africa and India lag in ownership

スマートフォンの普及率について地図上で示した画像を見てもわかるとおり、韓国が94%と抜きん出ています。39カ国のデバイスの内訳までは明示されていなかったため、statcounter(スタットカウンター)で2018年2月~7月の間のグローバルのシェア率を以下に記載しました。

アンドロイド端末が7割を占め、それに次ぐiOSは2割弱。日本に限ってはiPhoneが6割強、アンドロイドは3割強と理由はともあれ、グローバルとは指向が異なることが明らかです。

先進国では最下位? 日本人のSNS利用率

wide-range-of-social-network-use

39カ国中、FacebookやTwitterといったSNSを使用している率の中央値は53%。日本はといえば、この中央値を下回る39%であり、グラフの数字だけを見ると先進国で最下位という調査結果でした。ただしドイツのスマートフォン普及率が日本の59%より上の72%であることを考えると、調査対象の中で最もSNSの使用率の低い国はドイツということになります。

social-media-use-on-the-rise-in-many-countries

2015年にピュー研究所の実施した調査から、わずか2年の間にSNSの使用率が著しく向上した国の一覧も紹介されています。中東のレバノン、ヨルダンはともに2桁増。アジアでは韓国、ベトナム、フィリピンでポピュラーなことがわかります。しかもフィリピンでは、インターネットの使える環境が国民の約半分にしか行き渡っていないにもかかわらず、88%のネットユーザーが「SNSを使っている」という回答がありました。

U36 vs O37。36歳以下と37歳以上。SNS世代間使用率調査

日本だけでなく、世界的にもSNSの使用者は若年層の方が多いことがわかっています。ピュー研究所は、36歳以下と37歳以上で国別にどんな違いがあるのかを調査しています。
前項でソーシャルメディア浸透率の高かったフィリピンに再度フォーカスすると、若年層の約8割がSNSを使用しているのに対し、37歳以上ではネットユーザーの5人に1人しか使用していません。日本もフィリピン同様、若者ではネットユーザーの85%がSNSを使っているのに対し、37歳以上では26%と4人に1人程度の使用にとどまっています。一方、中東のヨルダンやインターネット先進国の韓国では世代間の開き(DIFF値)は少なく、幅広い年齢層がSNSを受け入れている調査結果が報告されています。

日本人は内向き? SNSの「発信」は「閲覧」の半分以下

総務省の「情報通信白書」に振り返って、【ソーシャルメディアによる情報発信・閲覧】では、日本、アメリカ、イギリス、ドイツのSNS利用状況を比較するデータが掲載されています。ソーシャルメディアにはここで紹介するFacebookとTwitter以外に、Instagram、Line、その他オンラインチャットの利用率および、発言、書き込みについての動向調査が記されています。
総じて言えることは、日本人の「発信」の低さです。Facebookで比較をすると、アメリカの発信45.7、イギリス34.9、ドイツ25.9に対し、日本は5.5。FacebookよりTwitterの方が発信は多いといっても、微々たる数字。日本人の6割が使うLINEでさえ「発信」は17%と、16.3%の「閲覧しか行わない」や15.4%の「閲覧することの方が多い」とあまり違わない結果でした。

ソーシャルメディアによる情報発信・閲覧(日本)国際比較はこちら

ソーシャルメディアによる情報発信・閲覧(日本)

2019年ソーシャルメディアの動向は? デジタルマーケティングの未来は?

2018年は年明けからケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルが、facebookに大きなダメージを与えたことをきっかけに、SNSサービス全般にわたって大幅なプラットフォームの仕様変更が相次ぎました。とくにfacebookはサードパーティ製プラグインの追加が、これまで以上に困難になる一方、別のサービスとの統合についてはシームレスにリンクするようアップデートされています。

SNSプラットフォームが、さまざまな分野のサービスと統合されていく。それはユーザーにとって1度の認証でこと足りるという便利さと引き換えに、自分の情報が未知の場所に行き渡るという、ちょっと怖い状況でもあります。とはいえ、いずれそれに慣らされ、抵抗なくログインが普通になるのかもしれません。

米NYCに本部のあるSocial Report(ソーシャルリポート社)の調べでは、インフルエンサーマーケティングは昨年同時期に比べ1/3に落ち込んでいるとのこと。ではデジタルマーケティングをドライブさせるため、インフルエンサーに差し替わる「何か」とは、ずばりチャットbotとライブビデオといいます。ただしチャットbotには、消費者がまだ否定的な認識を抱いているというデータもあります。2019年はソーシャルメディアだけでなく、コンテンツマーケティングでも「ライブビデオ」を配信するビジネスが、これまで以上に加速することが考えられます。

SNS解析ツールNapoleonCat

最新ウェブマーケトップに戻る

お問い合わせ・ご相談はこちらcontact@bostudio.co.jp